『 灰の島 』

秋の深まったある日、ぽよは寒い南極の島から、
沢山果物が実っている秋の島に降り立った。

「ここは、暖かいにゅ〜☆」

秋晴れの空の下、真っ赤に熟したリンゴを
モグモグ食べながら歩いていると・・・

『 いらっしゃいませ!! 』

と、声をかけられ、
ぽよは、突然話し掛けられて、ビックリした表情で振り向いた。

そこには、色んな島で花屋を経営する深緑の小鳥 すずみが一匹、
引き止めるように、羽を振りながら話かけてきた。
「あのね!!いい盆栽が手に入ったんですよー!!」
「どぉーーお??買ってみます???w」
「こんな上等な盆栽!他には売ってませんよ!」
「ちょーど紅葉してて、見ごろだよ!」
目の前には、赤く紅葉したヤマモミジの盆栽が
ポンと置いてあった。


なんて素晴らしい盆栽だろう。


でも、ドングリ(お金)がないんだよなぁ〜。

(´〜`;)う〜ん・・・でも欲しーなぁ〜・・・


ぽよは悩んだ。

なぜなら、南極からずっと旅を続けていて、
ここ数日、金欠状態が続いていたのだ。

今は・・・やめておくかな。
そぉ、決めようとした時だった。

上から赤い小鳥のちぇりこが舞い降りてきた。
『誰かぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』
ちぇりこは、その小さな体で円を描くように
羽根をバタバタさせてやって来た。
『誰か助けてぇぇぇぇえぇぇぇぇぇーー!!』
「どったの??」
ぽよは、ちぇりこの話に耳を傾けた。

ぽよは、そのちぇりこの様子から大変な何かが
起きているのだと、体を振るわせた。


ちぇりこの話は、すさまじい数の害虫が、
住んでる島を襲って来ているらしい。
戦いに挑んだ小鳥さんたちは、ほとんどがやられ、
金銭をうばわれたという。
一刻も早く害虫を倒さなければ、
害虫に島を奪われてしまう。

ぽよは、お金も底をつきたし、害虫を売って一儲けできる。
そう思い、島にあるリンゴをいくつか持つと、
ちぇりこがいた島に行くことにした。


島に着き、離れ島の木陰から様子をうかがうと、
尋常ではない数の害虫がワサワサと歩きまわっていた。
小鳥さんたちは、みんな逃げてしまったらしい。

「これは・・・手ごわいな・・・(・∇・;)アセッアセッ」
隣を見ると、ちぇりこがうつむいて泣いていた。

ぅぅ・・・
よし!!!!!!
やったるでぇぇ〜〜〜〜!!
リンゴを食べ、栄養ドリンクのモンビタZを飲み干すと、
一気に泳ぎ、害虫と戦いに行った。
予想以上に害虫がいて、思うように攻撃できない。
ぽよは、あっという間に、やられてしまった・・・







気がつくと、ベット上で寝ていた。
誰かが助けてくれたらしい。。。
(´+_●+`)キュウ…もっと力があったらなぁ〜
ぽよは、自分の弱さに、歯がゆい思いをしていた。
毒が体にまわっているのか、体が思うように動かない。


ガチャ・・・


ドアの開く音がして、

ちぇりこが、暖かいコーンスープと
ミニアロエの鉢を持って隣に座った。

「ごめんなさい・・・」
「あたしが、ムリなお願いをしたばっかりに・・・」
「鈴が・・・あの、あたしの友達の鈴が助けてくれたの」
「良かった><;助かって・・・」
そういうと、ミニアロエをそっと、ぽよに渡した。
食べて少し寝ると、毒が体から抜けるらしい。


「ぃぁ・・・謝るのは、僕の方だよ・・・」
「逆にお世話になってしまた・・・><;」
お金目当てで、軽い気持ちで来たとは言え、
助けられなかったなんて・・・
お金よりも、助けられなかった事に自分を責めた。
心の苦みをと一緒に、苦味のあるアロエの葉を
かみしめて飲み込んだ。

また、ちぇりこの目からポロポロと大粒の涙が
こぼれ落ちてきた。

「でも、かりおねーちゃんが。。まだ・・・」
「あの島に残ってるのぉ。。」



「ぇえ???!!!」
信じられない事実に、ぽよは大声をあげた。


あんな、もぉ害虫で灰色に染まった島に・・・
ちぇりこのお姉さんがいること事態考えられなかった。
島の鳥たちは、隣の島に逃げられたらしいが、
ちぇりこの姉だけが、消息不明だという。

すすり泣いているちぇりこを横目に、ぽよは決心した。

お姉さんのかりさんを助ける事をーーー









大きな満月が夜空を照らしていたその夜。
不思議な夢を見た・・・



窓から、まぶしい光で目が覚めた。

「・・・ん?」

ぽよは、まだダルイ体を起き上がせると
窓を開け、外を見た。
まだ月明かりではない何か、違う光がぽよを照らしていた。

まぶしい・・・・・

そう思った瞬間。
何かがぽよを包み込み、飛ぶはずもない。
ペンギンのぽよが、空へ飛んでいた。


え・・・?夢???
・・・だよね・・・
毒で変な夢をみているんだ・・

ぽよは、そう思った。

フワフワ浮いて、僕はどこへ行くんだろぉ・・・


誘導されるままに、ぽよは月明かりの方へと向かっていた。




ぼんやりと丸い月だけが明るく灯っている。





ーーーーー・・・ぽよ・・




・・・ぽよ・・ーーーー




誰かが僕を呼んでいる声。


ぽよは辺りを見回した。

山の頂上あたりで、ぽよは光から解放された。


そこには、ぽよを呼んでいた人影ならぬ鳥影。


まぶしい光が徐々に薄れて、黄金の鳥が現れた。
黄金の羽が月の明かりで輝き、優雅に揺れている。


「あなたは誰???」
ぽよは身構えた。


『あの島を救える方法を教えましょう』

名乗りもせずに話し出したが、ぽよの状況がよくわかっているようだった。

ぽよはその話に聞き入った。

『青の鳥が、あなたを助けてくれますよ』
『二人で力を合わせその青い鳥の方と共に戦いなさい』
『そして、お互いを信じ合い、また自分の力も信じなさい』

『そうすれば、きっと、島を救う事ができるでしょう』

ぽよは、動かない頭を必死に回転させながら、
その判らない言葉を一つ一つ覚えた。

『そして・・・』

ん・・??
んんん・・・???
聞こえないょ〜

何???もぅ一度最後の言葉を教えて・・・


姿もどんどんと薄れていくにつれて、
声もだんだん小さくなっていく。



最後の言葉を・・・・・

教えて・・・・・・・・


ぽよは、うわごとのようにそう言っている自分に
気づき目がさめた。

あまりにもリアルな夢で、
しばらく、ボォーーーっとしていた。



なんだったんだろ・・・
今のは・・・

そう考えながら、ぽよは言われた言葉を思い浮かべていた。

あの言葉は何を意味してるんだろ・・・
そして、最後の言葉はなんだったんだろ・・・


ひっかかる夢の続きが見れないかと、
また眠りの中に落ちていった。



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♪月の花風の鳥

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