「新築校舎の裏側は…」 『キーンコーンカーンコーン…』 どこの学校でも聞こえるチャイム音。 ここは「もんごっこ南中学校」 新築の校舎でピカピカだ。 一転… 新築校舎の裏側には廃校になった旧校舎がある。 薄気味悪いところにたたずんでいた… ・・・そして・・・ どこか人を寄せ付けないようなオーラをかもし出していた。 真夏の太陽が照りつける ある蒸し暑い日の昼下がり。 「マー兄ぃ、放課後、害虫倒しでもしなぃ?」 ゆずが、マーに誘いかける。 「そ〜だなぁ…暇だしなww」そう言って 近くの害虫島へ行こうとした時だった。 「お〜〜ぃ!!ゆず、マー!!」 大声でゆずとマーを呼ぶのは、 コケながらやってくるぽよだった。 ひめはそんなぽよを 見てクスッと笑いながらついてくる。 「どした?ぽよ。コケすぎだぞ〜w」 ゆずが、ぽよのコケる姿に苦笑しながら、問い掛けた。 その言葉に、ぽよは屈託のない笑顔を向けて誘った。 「ぇへへwあのねw今晩きもだめしでも…しない?」 「きもだめし?」 「そそwあの旧校舎で」 ぽよが指さしたのはあの廃校になった薄気味悪い旧校舎だった… 「やるやる!私そうぃぅの好きなんだ〜☆」 元気に答えるゆず。 それに続いて、マーも 「おもしろそーだしwやるか☆」 「ゆず、害虫倒しはまた今度な」 こうして、きもだめしをすることに。 「鈴と志爛とついきちも誘おうょw」 「OK☆すぐ呼んで来るさw」 と、張り切るゆず。 ・・・5分後・・・ 鈴・志爛・ついきち。 そして、かり・ちぇりこの姿が現れた。 「ちぇりこやかりも、やりたいってw」 ゆずが、ワラワラとみんなを引き連れてやって来た。 「ぃぃぉーw面白くなってきたのらー!!w」 みんなが集まって、ぽよもテンションを上げていた。 「ちぇりこが泣かないか心配だけどw」 と、心配そうに、かりは隣にいるちぇりこを見つめた。 「ぇー。だ・・だいじょうぶだょ!(>Д<)」 と、少しかたい表情を見せながら、 ちぇりこは、自分に言い聞かせるように言った。 その他愛無い会話に、はしゃぎ合い、 「アハハw」と、とても楽しそうな笑い声が校庭に響いた。 夜の2:00。 草木も眠る、うしみつ時に、9人は集まった。 「これだけぃれば〜こわくないねw」 ついきちが言う。 それを聞いた志爛は 「あ、ついきち、恐いんだ?w」と言った。   「そ…そんなことなぃさ!!」 「ふふっw」 周りは、暗闇に覆われ、物音一つない静かな旧校舎前だったが、 昼間と同じ笑い声が響き渡った。 しかし、そんな笑い声が響くのはつかの間だった。 9人は、恐る恐る旧校舎に入った。 ドアは、壊れていた。 外から見ても薄気味悪いものだったが、 中に入ると、さらに空気が重くなった気がした。 そして、真夏の蒸し暑い夜だと言うのに、校舎の中は、 打って変わって、ひんやりとしていた。 9人の足音だけが響く。 みんな、どこか おびえてぃた。 しばらくして、言い出した張本人 ぽよが、 「幽霊でもでそうだぉ;m;」と、泣き声で言った。 一寸先は真っ暗闇で、足元さえも見えない状況。 「ん〜…ホント…」 懐中電灯1本で行動する9人。 暗闇の中、きょろきょろしながら歩いていった。 また、しばらくして、ひめ、ちぇりこ、かりが 「ねぇ…ゃっぱり戻らない?」と、言い出した。 その言葉に 鈴、ゆず、マー、志爛は賛成した。 だが、ついきちだけは違った。 「え〜もう帰るの?まだ入ったばっかじゃん」 と、不満そうに言う。 「だって…なんか薄気味悪くない?」 「旧校舎だから当たり前だけど…」 「なんか他とは違う薄気味悪さっていうか…」 みんな帰ろうとしていた。 志爛が「ついきちもコワイでしょ?」と言った。 すると、ついきちは、 「んなことないよ!」 「よし、じゃぁ!みんな外で待ってろ!」 「俺が屋上へ行って、みんなに手振ってやる!!」 「屋上まで行ってみせるよ!!」と、余裕の笑顔を見せ、言った。 だが、真剣な面持ちで、マーがそれを引き止めた。 「やめとけ。何かおかしな気を感じてるんだ」 「1人で行動するなんて危険だ。」 しかし、ついきちは信じようとはしない。 「だいじょうぶだって〜wちゃんと帰ってくるからw」 そう笑顔で言うと、ついきちは1人、懐中電灯を持って 屋上へ上がる階段の方へと歩いていった。 8人は、強がりながら歩く ついきちの背中を 心配そうに見つめた。 そして、ついきちが姿が見えなくなると、 仕方なく、元来た道を歩きだし、外で待ってることにした。 笑い声はなくなっていた。 さっきの笑い声が、ウソみたいだった。 みんなはシーーーーンと、する中で、 ついきちの身を案じ、屋上をじっと見つめていた。 そんな中、ついきちは屋上へ上がる階段の途中だった。 ついきちは、上へ上へ上がるたびに、 どこか危険な感じがしていた。 マーの言う通りにした方が良かったかな… でも、ここまで来て戻るのもなんだしなぁ… と、思いながら、 ついきちは、前方に見える 吸い込まれそうな暗闇を見つめ、 度々、足を止めた。 その頃、 屋上を心配そうに見つめながら、 8人は少し会話をかわしていた。 「ついきち、大丈夫かなぁ?まだかなぁ…」 「やめとけって言ったのに…」 みんなが、そう言っていた。 その時、鈴が、指さした。 「ねぇ、あれ!」 「ついきちじゃない?!ほら屋上のとこ!!」 黒いついきちの姿は、暗闇の中、見えずらかったが、 そこには、確かに、大きく手を振る ついきちがいる姿あった。 みんなは、驚きの声をあげ、大きく大きく手を振り返した。 しばらくすると、屋上のついきちの姿は・・ふっと消えた。 ついきちの姿が消えた途端、 旧校舎から、ついきちが走って戻って来た。 「ついきち!もう戻ってきたの?早っ!」 「今屋上から手を振ってたばかりなのに〜?!」 「それよりちゃんと屋上まで行けたなんてすごい!!w」 志爛やみんなが、ついきちを取り囲んだ。 だが、ついきちは、不思議そうに顔をしかめ、 みんなの言葉に、みるみるうちに、顔面蒼白になった。 「・・・え・・・?」 屋上になんて、行ってない・・・ 手なんて振ってなかったからだ・・・ ついきちは、階段を上がってる途中で、 気分が悪くなるほどの気を感じ、引き返していた。 屋上に行ってないのに手なんて振れる訳がない。 「あの…俺屋上になんて行ってないよ?」 ついきちは、声を震わせながら言った。 「ぇ〜?うそだ〜・・・」 みんなとついきちの間に、冷ややかな空気が走る。 「だって俺、恐くて…引き返したんだょ…」 「なぁ…それホントに俺だった???」 その言葉にみんなは顔を見合わせた。 みんなは、ついきちの言葉に、 一気に恐くなって駆け出し、 近くのゆずとマーの家に逃げ込んだ。 その夜、 あまりの怖い体験に、9人は、 一つの部屋に集まり過ごした。 翌日。 幽霊のウワサはさっそく学校中に広がった。 実は、他にも幽霊をみたという人がいたらしぃ。 幽霊を見た人たちもやっぱり、屋上で見たという話だ。 それからと言うもの、 この旧校舎へ訪れる人はいなくなったという… 旧校舎は、いつもの人を寄せ付けないようなオーラを出しながら、 今もひっそりとたたずんでいる… それにしても、屋上のあの幽霊の正体は何だったんだろう… 誰もその問いをクチにする事はなく、 9人は、きもだめしであった出来事をそっと心の中にしまい、 後日、何事もなかったように、太陽の下で、 私たちは、はじゃいでいた。 「結局さwついきちも恐かったんだなw」 志爛は、ついきちの肩に腕を絡ませながら言う。 「まぁ、なんだ、害虫狩りにでも行って来ようかなw」 と、わざと話をそらし、ついきちは無邪気に走り出した。 「ついきちーーー!!!w」 志爛は、ついきちの背中を追った。 それに続けて、 ゆずがマーを引き連れて、叫んだ。 「待ってぇー!アタシたちも行くよぉーー!」 「害虫退治ぃ〜〜〜〜!ひゃほー!」 そして、ひめ、ぽよ、鈴、ちぇりこ、かりが 後を追うように駆け出した。 一緒に、驚いたり、怖い体験をしたり、 時に悲しんだり、悩んだり、 言い争いのケンカをしたり・・・ それでも、最後は笑い合った。 弾いて 弾かれて 転がって・・・ それでも 太陽の光りを浴びて、キラキラ光る ビー玉のように・・・w ― END ―    メニュー
♪ビー玉
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