(ぽよよん) エ・・・ コ・・・た・・ ・・・エ・・・た・・ん・・・ ・・・エコたん・・・ ん・・・? ・・聞き覚えのある・・・アタシを呼ぶ声・・・ 「エコたん!!!!!!」 エコは、長い長い夢から、ゆっくりと目あけ、目を覚ました。 「ァ!!!起きたぁ!!!」 ちぇりこの歓声が部屋を明るくさせた。 そこには、心配して覗き込むペンペンと幼馴染のちぇりこの姿だった。 「ちぇりたんとペンペンたん!?!」 エコは、今までの夢が、妙にリアルすぎて動揺を隠せなかったが、 慌てて、バサッ起き上がった。 すると・・・お布団の上に涙が落ちた。 現実にも、エコの目からは、涙があふれていたのだ。 「あ・・・ごめんなさい!」 「変な夢見ちゃって(><:」 エコは、照れるように、袖で目をゴシゴシと拭いた。 「悪夢・・見たたのぉ〜?エコたん〜泣いてるから〜(><;」 ちぇりこは、心配そうにエコの背中をなでなでと撫でてくれた。 暖かい温もりに、エコは安堵し、再び涙がポロポロとこぼれ出した。 「ほんと・・・無事にいてくれてwよかたぉ〜〜w」 「今まで、辛かったねぇ〜」 ちぇりこは、そんなエコを見て、頷きながら、 沢山の優しい言葉をかけ、エコの背中を何度も撫でた。 そんな二人を横目に、『良かった』と、優しく微笑むと、 そっと、ペンペンは部屋を出た。 エコが少し落ち着いてから、ちぇりこから話を聞くと、 エコとちぇりこが、よく遊んでいた故郷は、害虫に乗っ取られ、 灰の島になってしまったという。 そして、この氷の島の近くにある島にお姉さんの かり と 一緒に住んでいるらしかった。 ちぇりこから灰の島の話を聞いた時、 大きな害虫の話を聞いて、エコは、 夢で会った 恐ろしい がいちゅう大魔王の夢を思い出していた。 あまりのリアルさに、エコの心にずっと・・・印象深く残っていた。 本当に・・・がいちゅう大魔王みたいに、 でっかい害虫が、いたなんて・・ しかも、がいちゅう大魔王の夢を見た後に、 まさに同じような夢の話を聞くなんて・・・ エコは、すっかり面食らってしまった。 だが、今回、再確認できた事が一つだけあった。 ちぇりたんは、アタシにとって・・・ とてもとても大事な存在だったという事。 あの恐ろしい がいちゅう大魔王を倒せたのも、 きっと、自分の弱い心に勝った証拠。 こんな弱いアタシが、強くなれるのは、 周りにいてくれる沢山の仲間がいるから・・・ ちぇりたんは・・・ 離れていても、弱いアタシに力をくれていたんだと 改めて、感謝の気持ちでいっぱいになった。 ちぇりたん・・・ 「・・・ありがとぉ・・・」 ふと、エコの口からこぼれた一言に、 ちぇりこは、目を大きくあけパチパチとさせた。 「(*・ω・*)モニュ?どちて??」 エコは、夢の話をする事なく、 涙で少し赤くなった目で、ふわっと笑った。 「水くさいなぁ〜〜〜w」 ちぇりこは、エコの肩をポンポンと叩いて、 ニッコリと屈託のない笑顔を向けた。 しばらくの間、ちぇりことエコは、 昔の思い出話に花を咲かせ、笑い合った。 そのうち、ペンペンが作るシチューの香りがフンワリと漂い、 3人は、久しぶりにワイワイと楽しく、 美味しい料理が並ぶテーブルを取り囲んだ。 ペンペンの家のオレンジ色の明かりは、その夜、 夜更けまで、暖かく灯っていた。 次の日、エコは、毛を捜す旅を続けているという事を告げると、 少し遅めの朝食を食べた後、再び、過酷な旅の準備を始めた。 腰に拳銃を装着すると、旅立つエコを心配そうに 見つめる ちぇりこがそこにいた。 明るく楽しい ちぇりこと・・・ このまま一緒に暮らせたら、どんなに楽しいだろう・・・ でも・・・ 毛を待っている事はできないんだ。 どんなに危険でも、この足は止めたくない。 何があっても、目の前にある現実に、自分自身に負けたくない・・・ エコは、冷たい雪の大地に踏み出し、足に力を込めた。 それは、意思の硬さを物語っていた。 「エコたん〜・・・行っちゃうんだね・・」 「ほんと、気をつけてね(;m;)」 「絶対・・・絶対に、帰ってきてね・・!」 ちぇりこは、旅立とうとするエコの背中を見送りながら、 小雪が降る中、ほんの少し駆け出し、大きく大きく手を振った。 エコは、今にも泣き出しそうなちぇりこに笑顔を向けた。 「また!帰ってくるから!!!」 「毛と一緒に、帰ってくるから!!」 エコは、何度も振り返り、手を振った。 決して、目には見えないが、 ちぇりことの間に、硬い硬い絆が・・・ そこにはあった・・・ ←back   next→ メニュー
♪ゆびきり

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